オリジナルとコピー:2000年1月号掲載分
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最終更新日:2014/05/14
霧島フォーラム「狂この頃」
世間はまさにミレニアム!と同時に新世紀へのカウントダウンもスタート。さて今月から筆者の友人である「ユキヒローター」のイラスト付きで登場する「狂この頃」。今年も頑張っていくのでご指導ご鞭撻よろしくお願いしたい。ちなみに「ユキヒローター」は仕事を募集中である。
さて、別に2000年だからって騒ぎたくもないが、地場カルチャーも変遷、というか成長のいいきっかけにする分にはいい区切りかもしれない。「ROCKS」も新年より都城駅前に移転し、再スタートを図る。基本的に筆者が考える音楽はどちらかと言うと、いわゆる「創作」である。要するに「つくりだすもの」。それは「詩」であり、「メロディ」であり、「ステージパフォーマンス」であり、「キャラクター」である。しかし、もうひとつ存在するのが「コピー」という世界である。「カバー・バージョン」というのもあるが、それはむしろオリジナル=創作という解釈が強い。この二つの世界は同じ音楽でありながらその存在の意義は全く違う。前者はエンターティナー性が強く、自己主張が前面に出る。一方、後者は技術面、あるいは「こんな素晴らしい曲があるんだ」という伝道師的な部分がみえる。これはあくまで送り手側の価値観の相違に過ぎず、受け手にしてみればどちらも同じ音楽である。しかし、バンドを組んだりする場合、この価値観が違うと必ずと言っていい程かみ合わない。これは俗に言う「音楽性の違い」と言うヤツとは異なる質のもので、精神的・性格的な部分であるように思える。「コピー」の世界はある意味まさに「音楽」然としていると思う。伝統的なクラシックや、古典芸能はおもに既存の名作を忠実に再現したり、またはリメイクしたりして表現する。いわゆる「コピー」である。反面、「オリジナル」の場合、例えば「詩」。これはむしろ文芸の領域で、ある種「小説家」や「俳人」ともいえるだろう。さらにはステージング。ここはいわゆる「俳優」的な部分で、ステージに立つ人の個性が問われる.また、「オリジナル」を演る場合、その自己主張を受け入れてくれる相手が必要になってくる。生演奏のことを「ライヴ」と言うが、コピーの場合は「コンサート」、オリジナルの場合は「ショー」的なニュアンスがあるのではないだろうか。聞き手にとっても「卓越した技術や芸術的なアンサンブル」を求めるのか、「泣かせる詩や感動的な、またはエキサイティングなステージ」を求めるのか、で意義が変わってくるように思う。ぶっちゃけた話、どちらもあるのが一番いいんだけどね。ま、とにかくいずれにせよ、素晴らしいものをとどけるべく、頑張りたいと思う狂この頃でした。
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