日本語のすばらしさ:2000年3月号掲載分

公開日: : 最終更新日:2014/05/14 霧島フォーラム「狂この頃」

 この号が出る頃には寒さも落ちつき、そろそろ春の陽気が出番を伺っているかな…と、思いつつ、ペンをとる狂この頃。さて、筆者はバンドでオリジナル曲を作るのだが、アイディアを思い立って曲として完成するまで、最も労力を要するのが「詩」である。自分は日本人だし、聞く人もおおよそ日本人なので日本語で書くのだが(外国語は書きたくても書けんす)、この日本語っていうヤツはホントにやっかいで、かつ素晴らしい。例えば英語圏の国と比べれば、アルファベットしかないのに対して、ひらがな・カタカナ・漢字・そしてアルファベット、と豊富というかウザいというかとにかく、表現力に関してはおそらく世界一の言語ではなかろうか?外国人はジェスチャーが多く表現力豊かだというが、それはジェスチャーを交えないと伝わらないからであって、その点日本語はジェスチャーなしでも言葉だけで喜怒哀楽・抑揚・ワビサビを表現できる。おそらく俳句や短歌、だじゃれ、掛詞など、いわゆる言葉遊びがこれだけ進化した国は日本だけじゃなかろうか。また、10代の少年少女を中心に続々と流行語が生まれていく。勿論、ほとんどは半年もすれば死語となって消えていくのだが、中にはしぶといのもある。例えば「て、ゆーか」。これは本来あるテーマに基づく話を違う表現を使ってみたり、違う見解を述べる時に使うのだが、今は定義などなく無秩序に使われ、またそれが見事にまかり通っている。そしてたまに自分が使ってしまったりしている。これも今や必然なのかもしれない。そんな日本語は、いざ音符に乗せようとすると英語との差が出てしまう。特にポップスでは歴然である。例えば「おはよう」と「Good Morning」。前者は時に「…ございます」や「おーっす」とか言ってそれだけで状況や相手を想像できる反面、音符は四つとほぼ決まってしまう。しかし「Good Morning」だと二つでも、三つでも、四つでも五つ、六つでもいける。この差はでかい!その点日本民謡や演歌は独特で英語ではかなりキビしい。ま、もともとポップス自体輸入モノだから仕方ないが、逆にその制限の中でこそ「五・七・五」の文化は生まれたわけだから、プラス指向で考えれば「いいとこ取り」すればいい訳で、やっぱり日本語は素晴らしい.ところで筆者の詩の内容だが、やはり圧倒的に「ラブソング」が多い。もちろん「社会風刺」や「友情」、「人生」「回帰」「夢」時には「批判」「反戦」と多岐にわたり書いてはいるが、そのどれもが結局は「愛」を歌うことになる。筆者もこの誌上でコラムを書き始めて1年半になるが、ほとんど「音楽」「バンド」について書いてきた。たまには「恋愛観」もいいかなと思い、次号ではそのへんを斬ってみたいと思う。そこで読者のみなさんにも意見を乞いたい。テーマは「恋」と「愛」の違い。「狂この頃」係までよろしく、待ってます。アデューなんちって……

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