松井の年俸:2001年2月号掲載分
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最終更新日:2014/05/14
霧島フォーラム「狂この頃」
巨人・松井が5億である。イチローのメジャー行きによって、日本人最高となった。すごい世の中になったものだ。その昔、現・野球解説者の江夏豊氏が1000万円プレーヤーになった時、同じく現・解説者の落合博満氏が一億円を超えた時、世間は大騒ぎだった。20年で50倍である。1社会人の年収が1.5倍になのに対してこれはやはり異常だと思うが・・・。 しかしこれで来年オフの松井のメジャーはほぼ確実になったと言っても過言でないだろう。8年の複数年契約をけって、敢えて単年にした松井だが、他の選手からみればなんともったいない・・という行為だ。2000年オフはイチローに続き、阪神・新庄がNYメッツ入りし、野手としては2人目。今オフは3~4人くらいはでそうだ。投手は巨人・工藤をはじめ数人はでるのではないだろうか。そうすると日本のスター選手はどんどんメジャーに進出してしまうことになる。これは非常にマズいと思う。 近年、メジャーリーグやセリエAなどの世界的スポーツがかなり身近になってきた。野茂・佐々木や、ASローマ中田などの日本人選手の進出に加え、これまでWOWOWくらいしかなかった映像もBSデジタル開局により、さらに触れる機会が増えた。あまり興味のなかった人でも情報が入るようになり、まさにIT時代の象徴が伺える。 しかし、そこで危惧がある。今のJリーグがそうであるように、日本のプロ野球がメジャーの二軍的扱いになるのでは?ということだ。よっぽど熱狂的なファンは別として、ベルマーレ平塚時代より今の中田の方が見たいに決まっているし、カズの移籍で京都サンガよりヴィッセル神戸を見たいという人が増えて当たり前なのだ。 Jリーグの場合プロ野球に比べ歴史が浅いのにチーム数はかなり多い。日本国民の需要・供給のバランスを考えると、チーム運営が厳しいのは至極当然である。リーグ優勝を果たしたダイエーでさえ、球団身売りの危機だというのに、J2にいたってはいつ廃部になってもおかしくないのだ。バレーやホッケー、バスケやノン・プロなど昨年だけで一体いくつ廃部になっただろう。まぁそれも“淘汰だ”と言ってしまえばそれまでだが、この淘汰が続くと松井クラスはもとより、巨人・高橋クラスのスター選手がいなくなるのは7~8年後、いや5年後だろうか? もっとも、Jリーグは見ないが日本代表の活躍は見たいという人は多い。チームではなく日の丸を背負うとなれば、国民の応援に入れる力は変わって当然だろう。それに対し、野球のワールドカップは今現在ない。勿論議論はされている。日米野球があるじゃないか、という人もいるだろうが、米チームはじつは多国籍軍だから純粋なアメリカ人だけとなるとかなり戦力は落ちる。やはりワールドカップが見たい。勿論、トヨタカップのようにクラブチーム世界一の決定戦も見たいものだ。アジア・ヨーロッパは文句無く巨人だろう。となるとやはりヤンキースとのプレーオフってか。これは楽しみだ。あと天皇杯のような企画も見たい。例えばPL学園や地弁和歌山、法大、慶大、東芝や三菱川崎などとプロチームが試合をする。いやー、ホント楽しみだけど・・なかなかねぇ・・。 ま、とにかく望みがかなうと、必ずどこかにしわ寄せはある。そこで、みなさんも一緒に考えてみませんか?というわけで、「狂この頃」は今世紀、問題提起~結末予想をテーマに時代を斬りたいと思います。まずは「国民背番号制」。保険証がカードになり国民一人一人に支給されるらしいが、おそらく身分証や免許証、印鑑証明等も統一される日は近い。これによって考えられる問題は何だろう?もっとも打撃をうけるのは誰だろう?てことで皆さんの意見をお待ちしてまっせ!
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