番組打ち切りの理由 2

公開日: : 最終更新日:2014/06/07 つぶやきいも

 番組の基本的な流れとしては、一般的に報道されているニュースを2割、報道されてないレアなニュースを8割ほどピックアップして、それを独自の目線で斬っていくという路線を基調として、地域のアーティストやイベントを取り上げたり、ウエブやモバイル世代をラジオに寄ってもらうといった要素も含ませた感じを目指しました。

 当初は出演者やゲストが、楽器を持参して生の歌を披露するなどといったこともやっていましたが、原則的にはそれ以外の音楽をかけるということはしませんでした。現在はスマートホンのアプリ等で聞けますが、当時はユーストリームによる映像配信しかなかったこともあり、著作権の問題もあった為音楽をかけることをしませんでしたが、もっとも大きな理由としては、音楽番組が溢れている昨今、音楽をかける必要性をまったく感じないことでした。また、台本やキューシート等なしのトークのみで展開することに重きを置きました。

 これは差別化の一環であり、パーソナリティの真価が問われる部分でもあるし、リアルタイムでSNS等のコメントを採用する等もトライしていきたい部分でした。

 「レアな」と書きましたが、実際は「報道されにくい」話題と言ったほうが合っていて、体制側が拡散を避けたいと思うようなものを意識的に取り上げたいという意図がありました。

 ピーター・バラカン氏や吉田照美さんのような、社会派番組にリスペクトしていたこともあります。

 このブログでも紹介しましたが、かなりのクレームをもらった番組でした。クレームといっても、ほとんどは「好き嫌い」による主観でしたので、番組の意図を知らない人から見れば、自分の好みでないものへの「文句」であって、これをクレームというかどうかはいささか疑問ですが、そういう意味でも、局にとっては前例のない番組になっていたのは間違いなかろうと思います。

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 いずれにしても2年8ヶ月の間、いろんなことがあり、まざまざと地方の放送局の体質を味わうことになりました。

 よくあるのは、ニュースの選択です。いわゆる選挙を含めた政治絡みのネタは注文が多く、たとえそれが事実であっても放送で口にするな、といったことは慢性的にありましたが、私としては世の中にあるあらゆる考え方は「全てあり」で、それを判断し受け入れるのは個々の問題という観点から、ニュースを選ぶということは極力避け、バランス感覚で抽出しました。
 
 ただ、これは大衆やスポンサー、また経営側から見れば、自分たちに都合の良い選択をして欲しいのが常であり、そうでない場合はクレームという形で返ってくる、というパターンであることを理解することになります。

 例えば地元の高校がなんらかの問題を起こし、それが全国ニュースになっていても、地元であえて取り上げることはないだろう、ということです。地域に根ざした放送局が、その学校の関係者とも交流があるというのに、傷口に塩を摺りこむようなことをするな、というわけです。つまり「意義のある隠蔽」だと言いたい訳です。

 その程度なら私もある程度の理解をするのですが、これが例えば「市議34人全員をゲストに呼びたい」と言ったことを提案すると、「それは危険すぎる」というのが通常の反応です。

 昨年の市長選の直前に、両候補の討論会をJCが企画し、それを「生放送したいが番組の時間帯と被っているのでぜひ枠を空けて欲しい」と言われ、気骨溢れる企画だ!と思ったので「喜んで!ぜひ実現して欲しい」と言ったのに、結局は企画倒れになったこともあります。

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 あまりいい例ではありませんが、日本テレビが今年1月から放送したドラマ「明日、ママがいない」で、全スポンサーがCM自粛という騒動に発展したにも関わらず、製作側は強行したことがありました。番組の内容はさておき、放送局としての気概を感じたケースでした。

 しかしそういった気概よりも、目先にあるスポンサー料金、三セクである為の行政への阿諛など、それらの方が、小さな地方局としては優先事項であり、放送局としてのプライドを持つには、まだまだスタッフも経営陣も延いては番組審議委員も成熟度を高められないといった保守地方ならではの壁が立ちはだかった、と言えると思います。

 さて、今回の引き金となったのはある一人のゲストの出演でした。

続く。
番組打ち切りの理由 3

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