■夫婦別姓問題について

公開日: : 最終更新日:2014/05/14 ブログ, 社会問題

ハイ、例によって今回も長いです。覚悟して読んでね。

政権交代以来、様々な改革を打ち出している民主党が、あらたに提起している夫婦別姓について考える。

そもそも法律を変えてまで、夫婦別姓を希望する人たちとは、どんな人たちだろうか。

A,職業上、氏の変更が業績の連続性にとって損害となる場合がある
B,配偶者の父母と同じ氏となることにより、配偶者の実家に組み入れられたように感じることが苦痛である
C,妻の側が改氏する割合が全体の97%といわれており、男女平等に反する
D,女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約により夫婦別氏の推進が要求されている
E,国民の意識が変化しつつあり、別氏が選択できないため事実婚で我慢している人たちがおり、彼らにも平等に婚姻の権利を与える必要がある
F,中国や韓国、北朝鮮など東アジアでは夫婦別姓の国が多く、同じ文化圏として日本も考慮すべき
G,夫婦同姓は古くからの日本の伝統ではない。

と、大きく分けて七つほどあるようだ。だが、どれをとっても、基本的に結婚相手との話し合いでクリアできるケースのように思う。
例えば、女性側がどうしても旧姓を名乗りたければ、男性が養子になればいい。もし、男性側に「姓が途絶える」などの問題がない限り、ほとんどこれで解決 できる。あるとすれば、男性側の一族のプライドの問題ぐらいで、話し合いのポイントとしては、女性側の理由と男性側一族のプライドを天秤にかけたものにな る。
まぁ、女性側の理由が相当なもので、男性側一族がプライドを貫くようなら、結婚そのものを考え直した方がいいように思うが・・・。

女性側の理由として考えられるのは、まずAの項だろう。例えば女性が職務上知名度が高かったり、あるいは継続性の高い取引や流動的なプロジェクトを抱え ている場合などだ。これは結婚後の一家の生活に関わる問題だから大事だろうし、逆にそれを理由に別姓、あるいは男性の養子化を主張するとすれば、相当な キャリアウーマンと言える。
もうひとつ考えられるとすれば、本来の養子化の目的である「一族の根絶」だから、これは割愛。

まぁ、F、Gについては論外と言いたい所だが一応触れると、中国や韓国、北朝鮮などの東アジアを「同じ文化圏」とすること自体間違っていると思うし、文 化や伝統を言うのなら混乱のない、近代のものを重要視しないとそれこそパニックになる。日本における近代的文化・伝統としては、あきらかに現行法が沿って いるのは言うまでもない。

C、Dについては、実は全ての女性が男女不平等を感じているわけではない。むしろ少数派なのだ。別な理由ならまだしも、夫婦同姓で男女不平等を感じると すれば、少々被害妄想か、とでも言いたくなるが、百歩譲って不平等だと言うのなら、養子を取ればいい。得てしてこの類の不平を言う人は、自分だけじゃな く、世の中が全部変わらないと気が済まないタイプなんだろう。

さてBだが、これはおそらく結婚前ではなく、結婚後に新婦が味わった苦痛などから発生したいわゆる愚痴のはけ口に聞こえてしまう。例えば件の中国や韓 国、北朝鮮などはまったく逆で、別姓が認められているばかりに、「家族の中で妻のみ他姓の『よそ者』」「夫や子と同じ姓を名乗りたくても名乗れない」との 問題が多く、近年は法的に「夫婦同姓」が認められる例も出てきているのだ。つまり日本とまったく逆なのだ。言い換えれば「ないものねだり」ということだ。

だが、問題は反対や賛成という前に、もし法改正を実行したら、どうなるか、というシミュレーションが足りない、ということだ。

ボクがもっとも危惧するのは、価値観の崩壊だ。結婚して姓が変わる、というのは女性にとっては大事であり、男性からしてみればその責任は絶大なものなの だ。つまり、結婚とはそれほど覚悟のいるものだ、ということだ。夫婦別姓は価値観を示す一つに過ぎないが、この価値観が下がれば、覚悟も決意もなく簡単 に、軽い気持ちで結婚や離婚するという、現在の問題に拍車がかかるとも言える。

結婚とは、ただ好きあっていればいいってモンじゃない。一種の政治が始まるのだ。親戚は倍に増えるし、近所づきあいもしなきゃいけない。つまり外務省み たいなもんだ。子供ができれば育児・教育という新しい仕事が増え、文部科学省にあたる。働いて稼いだ金を、税金・保険・衣食住などにあてていく、つまり経 済産業省だ。仕事に出れば家族のためにいやな上司や取引先との軋轢やしがらみにも耐え、健康管理にも気をつける、つまり厚生労働省だ。
こんなに沢山のことを新郎新婦は覚悟しなきゃならんのだ。政治にも大臣がいるように、役割分担は必要だ。そして、重要な決定を下す総理大臣がいるように、どちらかが大黒柱にならなければならない。

もし法改正されても、近所の集まりや職場、あるいは友人同士の場でも、「なんで別姓なの?」と聞かれまくるだろう。そしてその都度、「それは・・・」と アピールを繰り返す。そしてそのアピールはほとんどが相手に伝わらず、「仲、良くないんだろうね」という印象を持たれ、挙句、子供にまで「ねぇ、ママはな んで苗字が違うの?」と聞かれ、物心付くまで不信感と葛藤させることになりかねない。改正後、浸透するまでのおそらく数十年以上、想像だにしなかったリバ ウンドを経験することになる。

賛成する人は、責任もって賛成せねばならない。これから未来のダンナ様と出会い、夢にまで見たウエディングドレスに身をまとう新婦候補たちが、どんな思いをしていくのかを、じっくり考えた上でないと、無責任な発言はできない。

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Comment

  1. waioi_comment_post より:

    ニーニーくん
    2009/10/01 06:57
    ぷるんすけ さん!オハヨー
    記事呼んでいけば、なるほど納得です。
    夫婦って 又、長く持続し続けるって大変なんですね。

    ボクも適齢期になって そんな時期が来れば、
    ↓ 男(ボク)として
    結婚とはそれほど覚悟のいるものだ。

    結婚とは、ただ好きあっていればいいってモンじゃない

    この記事わかりやすいです。

    ボクはちゃんとした大黒柱を目指します。

    石田純一さんと東尾さんがテレビで話題ピーク! 
    娘を持つ親御さん…は 
    直面したらどんな感じだろうか。

    もし ぷるんすけ さんだったら どんなですか?

    2009/10/01 18:09
    そういえば、院に進んで、このことについて、研究テーマにしてる友人がいましたね。(そして、そのあと、彼女は、大学の講師になってましたね…!懐かし!)
    ちびた
    2009/10/02 00:05
    実は私もBの気持ちはよくわかる派です。
    まあお互い様なんでしょうが、もれなくついている事柄の方が当人同士のことより複雑だったりして、別姓だとしても解決するようなことではないですけどね。
    当人以外から思われる「当たり前でしょ」という風当たりを緩和するんでしょうかね。
    狂咲 狂
    2009/10/08 03:45
    >ニーニーさん
     東尾氏の立場ですか・・・。複雑でしょうねぇ。「お前が決めたのならそれでいい」と言えるかどうか、ボクならまず、石田氏を呼び、「先立たれる側の気持ち」を聞いてみたいですね。

    >樹さん
     院のテーマになるんですか、スゲーすね。樹さん、ウチもニャンコ9匹いますよ。今度ウチの子達の映像でも上げますかね。

    >ちびたさん
     折衷安として、夫婦同姓なんだけど、全くの新姓を名乗れるってのはいかがですか?まぁ、ぼくなら山田でいいすけど。
     
    anne
    2011/01/25 19:28
    はじめまして。
    最近入籍した女性です。

    女性の気持ちがわからない人が女性側の理由やら感じている事を論じるのはどうかと思います。

    名前が変わる事は入籍後の様々な名義変更や役所からの郵便物の宛名を見て初めて実感するもので、別姓になったら結婚の覚悟云々は飛躍しすぎです。

    世帯主も夫になり、仕事は旧姓で通す予定が事情があり本名になり、印鑑証明は無効になり、、、自立したプライドのある大人の女は納得しがたい感情を持つものです。
    これは相手との話し合いで解決する問題ではありません。相手との関係に依存するものでもありません。

    女性の不平等感についても間違っています。結局世界は男性社会です。仕事が上手くいけば女だから客も優しい、失敗すれば女には無理だった。男性は無意識に無神経な人が多いし、とても面倒。女ばかりの職場はそれ以上にゴメンだけど。。

    男性には想像すらつかないでしょう。自分は正しい、自分は知っていると思わない方が賢いですよ。
    [Res]狂咲 狂
    2011/01/26 01:34
    つまり別姓に賛成と言うことがいいたいのですか?それはそれでいいじゃないですか。賛成と反対がいてこその議論ですから。

    それとも、議論そのものを否定しているのですか?あなたの言い分だと、想像のつかないはずの男性は議論に参加すべきでなく、実際に入籍した後に疑念を抱いた女性だけが論じる権利があるといっているように聞こえます。ならば、そういう女性だけで法律を変えれるとしたら変えるんですか?

     何をもって無責任とか無神経とか言う観点に、大いなる欠落があります。

     私が賢いかどうかには全く興味ありませんし、法律を変える事の重大さにおける議論としては、よっぽと無神経だと思います。
    [Res]狂咲 狂
    2011/01/26 01:46
    追伸
     「飛躍しすぎ」に反応させていただきます。そもそも立法における議論なのであり、様々な方向と深度が必要な議題です。この点で「飛躍しすぎ」と言うのは、あまりにも軽く考えているといわざるを得ません。それに男性社会に対して「結局」という結論付けをする時点で議論を放棄しているし、ならばなぜコメントをするのでしょう?ジェンダーが叫ばれて久しい現代、当の女性が諦めてしまってはそれこそ無意味なのではないですか?
    [Res]狂咲 狂
    2011/01/26 01:53
    さらに追伸
     少々高圧であったことをお詫びします。しかしながら、「意見」という論調ならディベートは大歓迎ですので構わないのですが、賢さに触れてみたり、ダメージを与えることが目的と思える言葉は、コメントには不必要だと思います。

     そもそもブログは、ディベートの場ではなく主張の場です。あなたも主張があるならすればいいのではないでしょうか?

    anne
    2011/01/31 16:35
    こんにちは^^
    記事の最後の「無責任な発言はできない」
    と矛盾する言い切り型の記事が気になりました。
    分別のある人は夫婦別姓に反対するもの、
    という風潮も少し感じます。
    自分の考えを持たない人もいるので、そういう
    ものと思う人に出て欲しくないですね。

    私のコメントのスタンスを一生懸命指摘されて
    いますね。
    残念ながら、コメント自体へのご理解や、それによる
    気づきなどは無理だったでしょうか。
    高圧的な反応は想定内なので、別にかまいませんよ^^
    [Res]狂咲 狂
    2011/01/31 19:27
    そうですか。
    ところであなたは独自の理論が展開され、それが自分の考え方と違えばイチイチコメントして回ってるんですか?

    ボクはボクみたいな考え方が存在していることをアピールしているに過ぎないわけで、押し付けるものでもありません。特定の個人に向けているのではなく不特定多数の、いるかもわからない読者に発信しているわけですから。つまりひとりごとのようなものです。それにもしこの考え方がありきたりなら、何もブログに書く必要など無いわけですよ。
    このブログを読んだ人に賛同が頂ければそれに越したことはないですが、反対や中立などの方もいらっしゃって当然です。あなたもそのひとりということです。
    ですが、生産的な議論ならともかく、言い方が気にくわないだとかというのは、議論ですらないと思うのですが?

    それから難解な部分があります。賢くないので。
    「矛盾する言い切り型」という部分と、「そういうものと思う人に出て欲しくない」という部分は、意味がわかりません。よろしければもう少し噛み砕いていただけるといいのですが。

    それと、コメントそのものは理解していますし、おっしゃる通りだと思っていますし、同じような意見はよく聞きます。しかし大事なのは(記事でも書いているように)その問題をどうするか、ではないでしょうか?

    ボクは、「反対派」の立場で書いているわけですので、当然結論は「反対」です。
    あなたの結論はなんなのでしょうか?「賛成」ならそれでいいと思います。いわゆる「ゼロ回答」でないのなら、それをハッキリすべきだと思います。

    「賛成派」という前提でお尋ねしますが、法改正した場合に起こりうる様々な問題の対処法をお聞かせ下さい。それが納得できれば喜んで「賛成派」に鞍替えして推進しましょう。

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