生きてく強さ
ごくみじかな存在にPTSD患者がいる。とりあえずAとしとくけど、Aの人生で最も近いのがボクなので、その心的外傷が何なのかは知っている。
今の時代で考えれば、仕方がなかったのかもしれないけど、やはり弱かった、としか言いようがない。なんでかというと、もっとひどい体験をしながらも、強く生きている人は大勢いるから。
とはいえ、ボク自身20数年前に一年弱だったけど、同じような症状で苦しんだ過去があり、世捨て人的な日々を送ったことがある。当時はPTSDは一般的に認知されてなく、ただ苦しむのみだったし、話すこと自体が恐怖だったからどうしようもなかった。
ボクが立ち直ったのは、皮肉にも「考えすぎる」ことだった。
「考えすぎちゃダメよ」とか「あんま深く考えんなよ」というのが周囲のお決まりの慰め言葉だけど、考えないようにできるものなら、みんなやってるわけで、そんなんで解決するはずはないのだ。
大体何を悩んでいても答えは絶対にあるわけで、ないと思うのはそれを「選びたくない」だけのことだったりする。でもこれ自体入り組んだシステムになっているから気づけないし、気づいたにしても相当時間がかかるのだ。
例えば、よほどラッキーが重ならない限り最悪な結末1と、1よりはいいけどかなりひどい結末2があるとして、ほんとはここで2という解答は出ているのだ。ただ、それを選びたくない、もしかして3があるかも知れないし、ヘタするとラッキーが・・・なんて思ってたら症状はひどくなる一方。それより早く2を認識してしまった方がいいに決まってるんだけど、そうは行かないのが厄介なところ。
人は何かを考えるとき、「理想」=「ベスト」としたがる。でも理想はあくまで理想。ベストを見つけるんじゃなくてよりベターを探していき、それぞれの選択肢について回るデメリット(犠牲)を比較し、出てきた答えがベストなのだ。つまりベストと理想はかけ離れているものなのだ。
もう一つ厄介なのはタイムリミットの設定。いつまでもだらだらと考え続けていても年を取るだけだし、前に進めない。若年層に患者が多い一つの理由は経験不足。年輩者はその年の数だけ苦しんできているから切り抜け方を会得しているけど、若者は年をとる前に経験を積もうとしないから、最初の一段を怖がってしまう。二段目からがラクだということを信じられないのだ。
ボクは考えて考えて考えまくって脳天から煙が出るくらい考えた結果、世の中の事には、何も不可解なことはない、と結論付けた。すべて道理がかなっていて、不自然なことなど一つもない、と心底思えるようになった。
こうなると後はラク。すべてを肯定できるし、受け入れられる。
事実、世界的に行われているPTSDの治療は、結局は追及し解明し、認識することにある。
ボクは偶然にもそれを自分でできたから、ある意味ラッキーだったのかもしれない。
Aは2を認識するのに12年要した。いわゆる一回りだ。ボクとしては、やっと一歩、まずは一歩踏み出してくれたことを素直に喜びたい。
Aは周囲に多大な迷惑をかけ、いやかけ過ぎたけども、とにかく生きていく選択をした。ボクも相当な犠牲をはらったけど、Aを遠くから見守り続けていく覚悟は最初からあったし、それに気づいてくれない間はもどかしかったけど、とにもかくにもAの人生は再スタートした。
トラウマと言ってもピンからキリまである。一般的には災害、人災、テロ、監禁、虐待、強※、体罰などが主な原因とされているけども、中でも虐待、強※は孤独感が強く、苦しみや辛さを共有できる相手がいないのが最大の壁だ。
今も多くの患者が世界中にいて、そのほとんどに「加害者」が存在している。そしてそいつらの多くはのほほんとしているのが現状だ。
やはり強くなるしかない。やつらには必ず天罰が下るし、それより大事なのは自分の残りの人生なのだから、強くなろう。
注:文中の※は、わいおいブログでは使用できないようです。女が三つのやつです。
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Comment
えり
2011/02/19 02:16
寝れない(´Д`)
私も今となっては笑って語れますが、引かれそうなので
内緒ですけど・・・
父→母へのDV→私が止めに入る→父→私へのDV→
母は助けてくれない→アザだらけで学校に行く→
周りに嘘をつかなければならない→授業をサボる→
家に帰ると父と母仲直り→両親の謝罪も無し→私って何?
高校卒業までこの繰り返しだったので、未だに
実家では暮らせません。
今は両親も家族仲も平和に良くなりましたが、
私が結婚に踏み切れないのは一種のトラウマかも?
と思います(^-^;
両親はそれすら気付いてませんが(≧ω≦)
皆さん色々あって強くなって今があるんですね。
私も乗り越えられると良いな♪
[Res]狂咲 狂
2011/02/19 23:31
寝れなくしてごめんよ。
えりーは立派に社会で存在できてるよ。
打たれる杭を楽しむくらいになれれば、サイコー。
昔はよかにせどん
2011/02/19 03:50
いろんなことがあるんですね、あったんですね。
>やはり強くなるしかない
導かれた結論、さすがだと思います。
[Res]狂咲 狂
2011/02/19 23:34
恐縮です。ラクを探すってことはやはり大事なことだと思いながら、そして行きつくのが原点なのかな、と思った次第です。
シルク
2011/02/19 11:47
>ボクが立ち直ったのは、皮肉にも「考えすぎる」ことだった。
ココ、ズキン!ときたっ。これってある意味、とても癒されるな~ 自分が一番いい場所にたどり着くのには人それぞれだしね。
大体の人は、人生の意味をわからないまま、人生終えてしまうのかな・・・でもキョーちゃんは、ここまで気づけて分析できるってすごいし、幸せだよね^^ みっちゃんのおかげもあるのかな(*^^*)
よし!アタシも強くなろ~~(゙ `-´)/
[Res]狂咲 狂
2011/02/19 23:49
良かったよ、再会できて。
疎遠になってもまた戻れるってのは、ソウルメイトだって、みっちが言ってた。
A隊長
2011/02/19 12:41
苦しい思いを経験して、自分なりに乗り越えて、
人は強くなると同時に、人の痛みが分かることの出来る、思いやりのある人間になっていくんだと思います。
本当、ぷるんすけさんの言うとおり、考え過ぎることが大事なのかもしれませんね。
私も高校時代に引きこもってた時期があり、その時は本当にいろんなことを考えて、悩んで…
だから、今の自分があります。
[Res]狂咲 狂
2011/02/19 23:51
ホント、そのとおりですね。人の痛みって、「生かされている」と気づけないと考えられないですもんね。
乗り越えた過去が大きいほど、優しくなれるのかも。
nari
2011/02/19 13:48
みんないろんな事があって生きてますよね!
悩まないことなんか無いし!
考えないでいることも出来ないし
いろんな事が重なりすぎるとどうしようもなくなり
もとの自分に返る事ができなくなってもがき苦しむんですよね!
でも、中々人にはわからない、伝えきれない苦しみですよね!立ち直れたぷるんすけさんはすごいと思います!
娘にも昔の自分にはやく戻って欲しいです!本人が一番願ってるだろうけど!
えりさん
私もお酒が入ると、父に暴力振るわれてましたよ!
今ではそんな事してたのかな~~くらいに優しいですが^^
私も一緒には暮らせないですね!
[Res]狂咲 狂
2011/02/19 23:39
誰かにわかってもらいたい、というのはごく自然な感情ですよね。でも、ボクの場合、それが長引いた原因だった気がします。自分をわかってもらう前に、他人をわかろうとしない自分に気づけなかった。
娘さん、早く戻れるといいですね。
ぽけみや
2011/02/19 22:52
今朝読んで、一日中考えていました。
数年前から、心の被害者について勉強して
境界性人格障害だとか、
自己愛性人格障害だとかいうことに
ちょっとばかし詳しくなって、あれこれ考えて考えて
ようやく自分を客観的に見たり、
いわゆる加害者と適切な距離をとったりすることが
できるようになったところです。
心の中をひどく侵害された被害者にとって
周囲からの無理解~「気にし過ぎ」という言葉は、
かなり深く傷つけるもので、
二次被害とさえ呼ばれてるようです。
世の中が、少しでもこの風潮から遠ざかるよう、
せめて自分だけでも、心が傷ついてる人に対して
理解できる存在でありたいと思ってます。
憎いとか悔しいとかの負の感情を抑え込まないよう、
感情自体を否定しないよう、励ましてるつもりです。
ご友人のAさん、再スタートできて良かったですね。
強い人だったんですね。
私にも自分の幸せを自ら壊していく友人がいます。
彼女もいつか再スタートできるようにって
心から願ってます。
[Res]狂咲 狂
2011/02/19 23:48
感情を否定せずに励ますってのはとても難しいですよね。それに本人以上に根気が要るし、泣きたくなるし、でもそれが中々伝わらない。でもいつか必ずぽけみやさんの存在がいかに大きかったか、わかってくれる日が来ます、間違いなく。科学的に断言します。