せっかく図書館を移転するのなら完全無欠でお願いします、という話。

公開日: : 最終更新日:2014/04/05 ブログ

 都城市立図書館は、築40年の老朽化もあって、ハートシティ都城の計画している「都城大丸」跡地再生計画で、センターモールへ移転するということで予定されているようですね。

 図書館といえば、武雄市のスタバ図書館が連想されると思うのですが、その武雄市図書館は例によってマイナス面を指摘する人たちも多いようです。

 まず武雄市図書館の現状ですが、昨年4月からすでに80万人の動員を記録しており、これは人口5万人の街としては驚異的でその4割が市外からの客だということなので、それだけ考えるとこんな観光成功例は過去にも類をみないでしょう。

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 20万冊の蔵書と3万冊の販売用書籍が並び、飲食しながら読めるというかつてない環境もすごいですね。従来の「静かにしなければいけない」的な暗黙の掟がそこにはなく、話し声がざわざわと耳に入ってくるのだそうで、これがかえって敷居を下げて人気を呼んでいるようです。ノートパソコンを開いて仕事したり、おしゃべりしたり、周囲の迷惑にならなければ、図書館の常識に囚われる必要は無いというコンセプトが見事だと言えます。

 もちろん、「いや、図書館は静かでなければ」という声もあるんでしょうけど、ニーズの差がここまであからさまだと少数意見といわざるを得ません。「子どもを連れて来やすくなった。絵本の読み聞かせもリラックスしてできる。」と、主婦層という新しい客層も掴め、同時に子育て環境構築にも貢献しているようです。

 さて、デメリットの方ですが、いろいろと読み漁っていると、どうやらいくつかに絞れそうです。まずはスターバックスコーヒーの親会社で、ツタヤやTポイントを運営するCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)の問題が多く、「指定管理者とはいえ行政サービスにそぐわない」だとか、「ポイントやレンタル・販売コーナー付設で金儲け主義」だとか、「独自の企画コーナーがない」などといったものが目立ちます。

 それから建物の構造上の問題や、既存の書店・レンタル店・カフェに対する民業圧迫ではないか、という点があるようですね。

 てことは、つまりそのマイナス部分を外せば万事OKってことで、そういう意味でも武雄市の功績は大きいなと思うわけです。

 まず民業圧迫を避ける意味でも、販売や有償レンタルはせず、カフェも地元のコーヒー店に出展希望を募ればいいのではないか、と思いますね。もちろん、あの「スタバ」だから、という声もあるでしょうが、実際コーヒーの味で言えば専門店のほうが美味しいに決まっているし、それはコーヒー好きのボクが言うから間違いないです。

 また、「静かな方がいい」という少数派のためのスペースも2割程度でも割くことは十分可能でしょう。

 それと、これは提案なのですが、iPad等のタブレットを来館者に貸与して、蔵書を専用Wi-Fiで読めるように(もちろんセキュリティ対策やコピー対策を施した上で)すれば、スペースの節約にもなるし本を飲み物で汚すことも無く、それ自体が話題にもなります。

 さらに「読み聞かせ会」なども、地元の役者・声優・MC志望の若手を起用して、少し規模の大きいイベント化したらどうだろうとも思います。集客は市役所福祉部と連携して各保育園・幼稚園に案内をかけ、教育委員会や学校教育課と連携して、出張サービスなども有意義だろうと思います。

 さらに司書とは別に(司書が兼ねてもいいですが)、受験生や特殊な勉強をしたい人向けの「専用コンシェルジュ」を設置し、適切な書籍探しをアドバイスしたり、参考図書の紹介などをして管内の学生さんの学力向上も狙うべきかと思います。

 もともと、旧大丸跡地再生計画には「子育て支援」も大項目として入っているわけですので、これは連携しない手はないでしょう。つまり相談所や託児所等も付設する方向で考えれば相乗効果は高いのではないか、ということです。

 さらに勉強や資料作りに利用する人向けに、文房具・雑貨店の併設(もちろん地元から募集)し利便性を高め、スマートホンを含めたタブレット端末などの操作指導などもできるといいでしょうね。当然公衆Wi-Fiや電源、充電などは自由に使える環境を整備し、さらに入荷リクエストや新書案内などをウエブを通じて情報発信に積極的になって(情報交換の場としてSNSを作るのもいい)いただきたいし、駅などの複数のポイントに返却ボックスを設置するとか、開館時間も早朝・深夜も視野に入れ(なんなら24時間営業)、中心市街地活性化に大きく寄与できる、「単なる図書館」ではないランドマークとして機能させて頂きたいと思うわけです。

3/2追記 昨年の12月議会での市側の回答によると、子育て支援センターは旧大丸の事務棟に移転計画されているようです。

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