日本のシャットアウターたち
今回の震災で、被災者の行動について海外から賛辞の声が多い。
社会秩序、助け合いを称賛 復興に期待も、海外報道
英紙が1面で日の丸に「がんばれ、東北。」
中国、日本人の冷静さを絶賛 「マナー世界一」の声も
「日本には人間の連帯が今も存在している」 タス通信東京支局長
「被害の中でも規律保つ」インド紙が称賛の声紹介
惨劇の中にあって、誇れる部分だろう。
だが、その一方でABCやCNNは「メルトダウン」という単語を連発しており、海外ではすでに被曝国という解釈をしている一部の大衆も増え始めているらしい。イタリアでは日本への旅行を自粛するように呼びかけているとの声もある。13日付の英紙では、福島第1原発の事故を「もう一つのチェルノブイリ」との見出しで伝えたところもあるようだ。
チェルノブイリ当時もそうだが、イラク戦争当時などもアラブ系というだけでやれ「アルカイダ」だの「テロリスト」だのという見方をしてしまう人が増えてしまう現実があった。今回の状況を見れば、日本人イコール被曝者(被爆じゃないよ)というレッテルを貼られても仕方がない。
「想定外」という言葉が頻繁にテレビから聞こえてくる。例えばM9.0の地震も、原発の事故も「想定外」なんだそうだ。あたかもすべての人が「想定」していなかったように聞こえるが、想定していた人たちは大勢いたのは言うまでもない。
原発の建設当時から現在に至るまで、その「想定者」たちは政治的にシャットアウトされてきたに過ぎない。
地震にしてもしかり。どっかの大学教授が連日ゲストに招かれて薀蓄を語っているが、先日のクジラ座礁や太陽フレアによる磁気嵐などをシャットアウトし続けている。
想定していた人はたくさんいるのだ。メディアや国・自治体が止めていただけ。
実際、活断層だのプレートだのの理屈が想定外だったってんなら、つまり根拠のない「説」に過ぎないわけだ。
そしてそのシャットアウト癖は全国民に感染してしまっている。
石原知事の「天罰」発言が物議を醸しているが、発言全体を聞けばそれが国政に向けられているのがわかる。ただ、たしかに一部だけ報道してしまう日本のメディアのやり方を知っている人にしては「不用意」だった。それを踏まえて言えば、我欲に捉われた権力者たち、つまりここでいうところの「シャットアウター」たちにとっての「天罰」だったとは言えるだろう。
それほど「我欲」に捉われた一部の人間や、揚げ足ばかり取っている人たちを見れば、海外から届く賛辞の声もむなしく過ぎ去ってしまいそうだ。
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