表現の自由?:2001年3月号掲載

公開日: : 最終更新日:2014/05/14 霧島フォーラム「狂この頃」

最近、表現の自由が論じられるケースが増えた。某局キャスターが徒党を組み、かたや倫理団体が民放各局に通達したりと慌しい。きっかけはビートたけし監督の「バトル・ロワイヤル」。暴力シーンや性描写が若者に悪影響を与える、というものだ。今さら・・の感がなきにしもあらずだが自分の人生はどうだったか?と、ふと考えてみた。さらに先月号の成人式のページを見たとき、「黒い髪のコっていねーなー・・・」と思ったことを思い出した。みんな個性?らしきモノを求めて茶髪や金髪にしたであろうに、いまや黒い髪の方が目立つ。一昔前はスタンドか警備会社のバイトの女の子で黒髪を探すのはムリとされていたが、今は成人式なのだ。やはりメディアのもつ影響力である。昔、「金八先生」を見て、先生にタメ口で話すシーンに時代の変化を感じたものだが、これもいかほどかは別としてその影響が懸念される部分だろう。ドラマの世界はいつしか若者のライフスタイルのバイブルと化し、暴力シーンが映し出されれば、それがあたかも日常的にあることだと錯覚し、実生活に注入される。可能性としてはないわけではない。事実僕らの世代はそうだった。ケンカが強いことがステイタスであり、女にモテることがステイタス。仮に傷害事件で捕まってもそれも又ステイタス。自分の彼女同士がはちあわせしてモメてもそれもステイタス。それら全てがメディアを参考書としているのだから、可能性どころの話ではない。倫理団体や子を持つ親が騒いでもムリはない。一方、メディア側はネタがなくなりかねないから必死だ。ま、確かに年齢に応じた規制は確かに必要だろう。善悪の判断ができない子供に見せていいものと悪いものがある以上、その迷惑を被るのは自分だけではないのだから。ある日突然、自宅で寝ているときに一家全員惨殺されてから論議しても遅いし・・・。

関連記事

no image

日本初・日本一?:2002年1月号掲載

「世界初」とか「史上初」っていう表現も好きじゃないが、もっと考えてしまうのは「世界一」とか「日本

記事を読む

no image

便利さか?住み易さか?:2002年3月号掲載

  例によってトーキョーにいる今日この頃。それにしても、価値観の違いは凄まじい。まず家電は恐ろしく安

記事を読む

no image

日本語のすばらしさ:2000年3月号掲載分

 この号が出る頃には寒さも落ちつき、そろそろ春の陽気が出番を伺っているかな…と、思いつつ、ペンをとる

記事を読む

no image

ジャンル:99年5月分掲載分

 みなさーん、五月病の具合はいかがですかー(^^;)。私は健康優良痔なので金欠病と恋のヤマイ以外はあ

記事を読む

no image

倫理のデフレ:2002年5月号掲載

さて、今月も東京シリーズである。西新宿にある柏木公園の桜は、異例のスピードで開花し、翌日の暴風雨で

記事を読む

no image

あがってなんぼ:2001年7月号掲載分

 梅雨だな~などと思いながらふと気づくと、なんと通算33回目の連載だ。いってみよ!  「あがってなん

記事を読む

no image

宮崎のミュージック・シーン:99年12月号掲載分

 2000年へのカウントダウンにも拍車がかかり、筆者の周囲もなにかとあわただしくなってきた。先月号の

記事を読む

no image

デジタル・ディバイド:2001年6月号掲載分

筆者もインターネット業界に職を変えてからはや3ヶ月。世はやれ「IT」だ「eコマース」だと騒がしく、

記事を読む

no image

個性:99年11月号掲載分

 毎月〆切りがせまった頃に「やべっ」と慌てるのだが、今回はすでにキーボードに手が乗っている。なのに、

記事を読む

no image

オリジナルとコピー:2000年1月号掲載分

 世間はまさにミレニアム!と同時に新世紀へのカウントダウンもスタート。さて今月から筆者の友人である「

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>

This blog is kept spam free by WP-SpamFree.


follow us in feedly
PAGE TOP ↑