自由に仕事を選べる時代はそろそろ終わりますよ。
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最終更新日:2014/04/09
都城愛
都城市(に限らず)の少子高齢化問題を何度か取り上げているんですが、その対策として「難民受け入れ」を提案しています。何人かの行政関係者や議員さんにもお話を伺ったところ、議題に上がることはほとんどないようです。
まず「実感がない」ってのが主な理由なわけですが、今日はちょっと違う視点で書いてみたいと思います。
介護職が深刻な人手不足であることは周知のことでしょうが、これもおそらくほとんどの方が他人事なのかもしれません。しかし、本当に他人事なのか、よく考えて見ましょう。
平成22年度の介護職についている人の数は133.4万人(常勤・非常勤合わせて)で、これは介護保険制度の創設以後、倍以上になっているのですが、前年度から減り始めています。
高齢化はますます進みますので、平成37年度(2025年度)にはさらに倍の250万人以上の介護職が必要とされています。
当然、このままではまったく足りません。このまま放置した場合、介護が行き届かないために病状が悪化する老人が増え、医療業界にも大きな影響が出ますので、医師・病院不足が深刻さを増すばかりでなく、孤独死や助かるはずの人の死も増えていき、徐々に世論も増すでしょう。また介護職の過労死や残業問題、不当労働、老老介護も社会問題として大きくなっていくでしょうから、当然これは対策がうたれるはずです。意外に懸念されるのが、無資格者による労働等です。資格や経験が邪魔しているとの判断から無資格者の就労は増えるはずですし、そこで起こりうる問題もまた世論に大きく反映されるでしょう。
どんな対策がうたれるのでしょうか。もし今からかかるなら長期的な手も打てます。まず、現状の問題を考えてみると、まず薄給であること、肉体的にも精神的にも重労働であること、相手が人間なので休暇が自由に取りにくいなどが主な理由となっています。
これが高給であれば話は随分変わってくるのですが、高給になりえないのが介護職です。そもそも高齢者本人の年金や家族の支払いだけではまかなえないレベルですから、社会保障の額が増え、それが現在の国の借金(国債)のほとんどを占めているわけです。給料を上げるためには税金を上げるしかありません。また資格等を取るための受講料免除なども起こるでしょうからその費用も捻出せねばなりません。要介護者を抱えた家庭への保障も増やさざるを得ません。
もし仮に消費税を諸外国のように25%あたりまで上げれれば、介護事業者への税投入が増え、職員も高給職となり、それなりに介護職につく人は増えるでしょう。ただし、別な問題(現時点でもありうる)が浮き彫りになってきます。つまり介護事業経営者の中間マージン搾取が問題視され、そうでなくても行政指導によって、民間の介護事業者が成り立たなくることが予想されます。そうするとおそらく最終的には介護事業自体が国営(あるいは財源委譲などに伴い県営、市営)にせざるを得ないと思われます。(もっとも、次第に公務員として介護職を採用する流れが起き、日本という国が社会主義国へ変貌していきますが・・・)
ただし、25%は当分無理ですから、当分は国債を増やしてでも当たらざるを得ないでしょう。しかしそれでも追いつけるレベルではないし、優良な生産年齢の労働者が、介護に時間と精神力を奪われ始め、収入への影響と精神的負担が次第に表面化していくでしょう。非正規雇用はますます増えることになり、経済格差はもっと広がり始め、子供を作らない体質はさらに拍車がかかるでしょう。
考えられる方法は多くありません。後期高齢者医療制度が始まった前後には、「姥捨て山」論争が増えましたが、今手をうたないと、本当に「姥捨て山」制度が必要になってしまいます。
一気に25%に上げれないとなると、別な手を考えねばなりません。別なところに労働力を求めるとしたらやはり「移民」しかありません。しかも生産年齢として若い世代が対象です。
先の記事でも書きましたが、問題は多いんです。まず「難民受け入れ」について、日本人が認識しているイメージはここに参照するページでよくわかります。
シリア難民「なぜ日本は難民を受け入れてくれないのか」
つまり最大の難関は日本人の意識なんですが、それ以外にも宗教・文化摩擦、治安等もろもろあります。しかしそんなことを言っていられるタイミングは既に過ぎています。
※3/30追記 「他に打つ手がない」という前提でしたし長文になっていたので割愛したのですが、色々ご意見いただいたのでやっぱり書いておきます。
「労働力ありき」「人口調整ありき」の受け入れは倫理的におかしい、難民問題は別である等の概念は承知の上です。てすが「姥捨て山」よりマシじゃないでしょうか。それか一気に社会主義に変われるか、と考えれば、一番現実的であることは明白です。というか、他に「手」がないのです。
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