インターネットは「世界に発信」ではなく地元にアピールするツールになった件
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最終更新日:2014/04/05
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最近はウエブコンサル等もちょこちょことやっているわけですが、それで感じているのが、インターネットの役割、というかツールとしてどう使えるか、が変わってきたということです。
一般的に浸透し出したのはおそらく2000年あたりかな、とボクの感覚では感じています。当時ボクは友人と都城で初の地域ポータルサイトをやろうと意気込み、見事にコケた経験を持っています。
思い起こせば、「0986city.com」というドメインをとり、当時最先端の掲示板システムを導入し、個性ある人材を探してはコラムの投稿を頼んだり、飲食店のメニュー表を羅列するページを作ってみたり、シロートを紹介しながら繋げていくコーナーをやったり、当時流行っていたtotoを実践中継したりとかやってました。まったく儲かりませんでしたが楽しくやってたのを覚えています。
ちなみに2001年の911の時は、友人と徹夜明けで事件をテレビで見てました。
さて、2000年当時というのは、全国的な普及率としては37.1%で約3人に1人でした。ただし普及率といってもなんらかのネット回線を使用している、ということでも「普及」と見なしていたと思うので、今のようにスマホでニュースをチェックしたりSNSで友人とコメントし合うというレベルではないし、そもそも田舎の回線はいわゆるダイヤルアップ接続が主流だったので閲覧するページの表示速度も、今からすると超スローモーションだったわけです。
しかしインターネットの「売り文句」としては、「全世界に情報発信ができる」だったわけで、現在に至るまでそれは続いてきたんです。それは当時の市民にとっては信じられない技術であり、憧れはするけども簡単には踏み込めないものでもありました。
時代は流れ、いまや料金は10分の1以下になり、スピードは何百倍にもなり、誰でも「世界に発信できる」ようになりました。普及率はついに80%になります。つまり小さい子供や老人を除けば、ほぼ全員がなんらかの形でネットを利用している時代になったのです。
無論、それを早くから生かして成功を収めた人も数多くいて、ネット長者と呼ばれる人もたくさん生まれてきたわけですが、よくよく考えてみると、そんな成功者は全体のほんの一部に過ぎないんです。
多くの商業者は、幅広いエリアで仕事をしているわけではないのです。やはり「商圏」という概念は根強く、現実的に考えても、飲食店や美容室、農業に小売店舗、建設業などのほとんどは客との対面で仕事が成立するので、そもそもインターネットで言う、「世界に発信」がリアルなものではなかったのです。
地上波テレビ局に高い広告費を出して、商圏でない場所にCMが流れてもほとんど意味はないわけです。なのに「世界に発信」なんてもともと関係なかった、ということなのです。
しかし、この数年環境は随分と変わりました。フェイスブックやGoogleアドセンス、あるいは楽天などの広告を見ると、利用者の地域性や個性を踏まえたアルゴリズムが使われています。
ひとつ例をあげると、フェイスブック広告などは、対象地域、性別、年齢層などを絞って広告が出せるようになっているし、予算に応じて設定できるので、小額でピンポイントの広告が打てるしくみです。また、フェイスブック利用者の嗜好や会話の傾向などから、その広告に興味を持つかどうかなども加味され、より正確なターゲットを狙えるわけです。
これに対して従来の紙媒体、電波メディアは相手を選べません。たとえば5万部発行のタウン誌に3万円でクーポン広告を出しても、客が手に取るのは7割の3.5万部、出した広告を見てくれるのはそのうち半分の1万2千人、さらに興味をもってくれるのが1割の1200人、切り取って「いつか使うぞ」と財布に入れてくれるのが2割の240人、実際に使うのが1割の24人、しかも使ったらそれで終わりで、リピーターになってくれるのがさらに半分以下の10人、売り上げに換算したら3万円だった、なんていうのもあながち大外れでもないでしょう。
今まさにインターネットは「世界に発信」するツールではなく、地元で地元の相手にアピールするツールとして機能しだしたと言えます。店舗や会社を電話帳で探す人がどれだけいるでしょう。「ググっ」た方が早いに決まってるわけです。そしてそれをわかっている年代が徐々に高齢化しだし、10代~20代の若者は当たり前のように利用しています。10年後には彼らは20代~30代になり、ビジネスの中心に君臨しだすわけです。
ホームページやフェイスブックページは、名刺や電話帳よりも必要なものになりつつあります。むしろ電話帳にも載せず、名刺も持たないでビジネスを成功させている人も増えています。
正直言うとボク自身、インターネットが限定された地域で機能するとは思ってませんでした。おそらく近い将来、町内会や親族でのSNSなんてのは普通になってるかもしれません。
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