リテラシーのない有権者

公開日: : 最終更新日:2014/05/14 ブログ, 社会問題

たまたまツイッターである方とちょっとしたディベートになった。

きっかけは津田大介氏が橋本務氏の記事をRTしていて、それに某氏が再RT、さらに津田氏が再び「メディアの責任も大きいですね。日本人全員の責任とも言えるけど……。」とRTしていたものに、僕が異論を呟いたことから。

その異論とは「そいつぁどーかな。政治家は国民が選んだと言うけど、利権が選んだと言うほうが正しい。」と書いた部分で、それに 「利権が選ぶとはどういうこと?」と質問頂いた。

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氏はおそらく東京の方なのだろうと思う。東京は地方から沢山の人が集まっているので、もしかして「票の性質」に根本的な違いがあるのかも知れない。ま、それは置いといて、ボクの思う選挙についてちびっと書く。

ボクは初めて社会人になったのは町役場だったので、選挙はワリとみじかなものだったし、今も建設下請業なので、組織票取りまとめのド真ん中にいると言っていいのだが、最近はあえて距離を置いている。

国会議員の選挙の場合、宮崎は3区に分けられ、それぞれ有名な族議員様が輩出され歴代大臣もいる。ボクのいる3区の場合、有権者はおととしの衆院選時点だと294,460人で投票率は67.81%の199,670人が投票している。

当選するには10万票程度必要だが、対立する候補が強力でないのでほぽ毎回本命の圧勝。

さて、投票率の67.81%が高いかどうかは別として、ボクの周囲の人はだいたい行く。若いときならいざ知らず、今はほぼ間違いなく全員が行っている。投票に行かなかった人とは付き合いがないのかもしれない。おそらく興味を持ってない若者が残りの32.09%のほとんどなのかも知れないが、主に第三次産業就業者と失業者がここに多く含まれるのは間違いない。

でも、この67.81%の人が興味があったのか、と言うと、その興味の対象は「政治」そのものではないと思うのだ。勿論、信念を持って候補を見極め、純粋に投票した人がいないはずはない。

ただ、大部分、つまり普通のおっさん、おばさんたちにとって重要なのは目先の見返りだ。亭主の仕事は第一次産業、第二次産業の経営者か取引先か従業員。国会議員が見返りを約束する対象はほとんどがここだ。

例えばA氏が農業だとしてB候補が農業を支援するといえば、A氏は勿論その一族郎党、三軒隣まで票を集めてくれる。頼まれた人も違和感なく、むしろ当然のように投票に行く。マニフェストなどは一切関係ない。

今で言えば、TPPなどは重要な案件に違いないが、とりあえず候補者は反対姿勢だけ見せていればOK。

一方建設会社のC社長は、当然公共工事が欲しいのでそれをまわしてくれる候補を支援するわけだが、律儀に末端の社員までが票集めに奔走する。それぞれの社員にも家族があり、そこにも当然票があるわけで、特に推す候補がない限りは「誰々に入れてね」でOKしちゃう。心理的には「当選するであろう」人に投票しておけば、「投票に行って社会的責任を果たした」感を得られる。

今はまだだいぶマシになった方で、一昔前は選挙事務所に行くと握り飯の中に(あるいはお盆の下に)一万円札が詰めてあった時代もあり、公職選挙法違反は「見つからなければいいし、見つかっても連座制を免れるようなやり方でやればいい」というのが実情。また知ってても通報する人はいない。

なかなか言いたいことが書けずにいるが、要するに田舎のほとんどの人には政治・情報リテラシーなんてものは皆無だ。そんな人たちがいくら投票に行っても、たとえ100%の投票率が達成されても、民意の反映には程遠い。

つまり投票に行けばいいってんじゃなく、もっと政治に興味を持った上で候補者を選ぶ習慣、というか概念が根付かないと、いつまでも族議員の天下が続く。

宮崎では4年前に東国原氏が知事に立候補して、その結果はまさにドラマチックだった。投票した人は、氏のマニフェストを理解していたというより、前知事の汚職を受けて起爆剤・カンフル剤が欲しかったところに、知名度の高い元タレントが立候補したのだから、まさにおあつらえ向き。

でも、こんなことはそうそうあるわけじゃない。

とにかく問題は有権者のレベルにあるのだから、津田氏の言う「日本人全員の責任」というのも、ある意味では的確。でもその内容は投票したかどうかだとは思わないし、単に投票率アップで解決するとはとても思えない。要は「何故、その候補者を選ぶのか」なのだから。

都心と、一部有名人が立候補するような選挙は別にして、それ以外のほとんどの選挙では、政治リテラシーの高い人の票は全く持って意味を成さないほど少ない。

始末が悪いのは、候補者もそれを熟知していて、どんなエサを巻けばいいかをしたたかに実行する。

震災以降、デマがどうとかいう議論が盛んだが、これも一部に過ぎずツイッター住民くらいだ。大手メディアは東電や政府の実態などは報道しないから、新聞・テレビだけが情報ソースという大多数は、それが実情と信じ込む。

小沢氏や上杉隆氏が言うように、国民一人ひとりが情報リテラシーをあげていかないといけないのと同じで、有権者が政治を理解していかないといけないのだが、おそらくそれは叶わない。

あるおばさんが、汚職で訴追された安藤前宮崎県知事をボロカス言っていたので、「でも自分達が選んだんだよ」と言うと、「そんな人と知ってたら入れないわよ」と返ってくる。そりゃそうだ。

菅総理にしても、枝野氏にしても、国民は「自分達が選んだ」とは思っていない。

投票したにも関わらず思っていない。

じゃせめて投票前にマニフェストの一つでも読んだのか、というと読んでない。

政見放送は見たのか、というと見ていない。

投票の基準は、「選んだ」ではないのだ。

おそらく「知ってる名前を書いた」がほとんどだ。

先日の統一地方選では、県議会議員選挙にいたってはマニフェストすらなかった。

候補者もよくわかっている。マニフェストなどいらないのだ。

そんなのより、笑顔で握手して「いい人っぽさ」を売ってた方がマシなのだ。

それでコロッと騙されてくれる。

「皆さんの町の道路をきれいにしますよ」って言っときゃいい。その候補者が原発推進か反対かなんて確かめたりしない。

「農家の皆さんにもっと補助金出すようにしますよ」って言っとけばいい。その候補者が増税派か減税派かなんて聞きもしない。

それが現実のレベル。国民の大多数。

だから「選んだ」とは思ってない。当然「選んだ責任」なんか感じない。

だからって、「日本人」を責めたところでどうにもならない。「これが普通の日本人だ」という前提で政治が行われないといけないのに、政治家は「これ幸い」と思っている。変えるべきはここだろうと思うのだ。

 

ちなみにボクは津田氏は支持してる方です。お若いのに素晴らしい青年だな、と思ってます。

 

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