音声力ライブ

公開日: : 最終更新日:2014/05/14 ミュージック・レポート

200701211719001.jpg 先日、音声力のギタリスト吉田光さんと電話で話し、今日の三股公演に行く約束をしていたのでRyu氏ファミリーと共に出かけてきた。
 音声力はいわずと知れたドラマー、トシ・ナガイ氏とパーカッショニスト上之園謙治氏、三味線の石井秀玄氏の地元勢に加え、鹿児島のピアニスト田島良一氏、宮崎からベーシスト竹下氏と和太鼓の岩切邦光氏、綾町からヴォーカリスト上田浩恵氏という南九州屈指のアーティストが終結したバンドである。ボク自身何人かは面識があるが、そういうことを抜きにして、本日のライブを斬ってみたい。

 一曲目が始まって少ししてから会場に入った時、ちょうど光さんのソロだったのだが、これが聞き取れないのだ。もともとプログレ色の強い音作りでヤセやすいと言えばそこまでだが、それにしてもせっかくのメロディが追えないのでは来た意味が消えてしまう。さらにヴォーカルの歌詞もほとんどわからない。これではスキャットしてるのとほとんど変わらないし、せっかく意味を込めて作った作詞担当者が浮かばれないし、第一客に何も伝わらない。

 最初はPAのウデのせいか?あるいはハコのせいなのか?と思ったのだが、全体的にバランスは取れてはいるようだった。
 とにかくドラムを含めた打楽器とベースの音がバカでかい。野外ならまだしも、250前後のキャパでこの音量はキビしいのではなかろうか。そもそもリハ前のサウンドチェックというのは、ドラムから作っていくのが一般的で、当然ナガイ氏の担当だ。さらにパーカッション、和太鼓、続いてベース、と作っていったハズた。おそらくこの時点で相当な音量になっていたハズで、ここにピアノ、三味線、ギターを載せたバランスを加えていく。打楽器が3セクションもあるということ自体、ウリであると同時にこの規模のハコでの音作りはかなりムズいに違いない。聞けばPAはSR関係者だという。
 ボク自身は大音量は大歓迎だし、いわゆるスラッシュメタル系やコア系ならばむしろそうあるべきで、客もそれ自体を目的にする。
 ボクが想像するに、PA担当者もハコの限界については気づいていたんだけども、おそらくドラムの音量を下げようなんてことをナガイ氏に言えなかったんではなかろうか?

 いずれにしても、歌詞が聞き取れない、ギターのメロがわからないではまったく意味が無い。ナガイ氏のドラムだけが目的のお客さんなら問題ないだろうが、バンドとして来ている以上は、そのアンサンブルやそれぞれのソロ・プレイ、また歌詞に載せたメッセージが伝わらなければどうしようもない。

 これが、ボクらアマチュアがやるプレイならまだしも、プロとしてカネを取ってのコンサートなんだからもう少し考えるべきだろう。

 さらに言えば、MMTPと同じでオリジナル曲にこだわり過ぎていると思う。ミュージシャンであると同時に作家である部分のアピールをしたいのは重々理解できるが、キャラクター的にプロ・ミュージシャンが集まってできたバンドに期待したいのは、作品ではなく演奏のクオリティであってそのアレンジの妙だったりする。
 都心のライブで、相当なロック通が集まっているのならわかるが、この三股文化会館に来る客はほとんどがシロートさんであるし、チケットだって義理買いの方が多いだろう。事実自称ロック通のボクだってオリジナル曲は一回では良さを理解するに至らない。
 そんな中でも、「安久節」と「Lovin’You」のメドレーは客がもっともホッとした部分だったろう。

 ヴォーカルの上田氏のことはよく知らないのだが、いわゆるロック・ヴォーカリストではないような気がする。少しリバーブがかかりすぎの感もあり、他のプレイヤーに遠慮しているような感じもした。おそらく彼女自身がやりたいことと、このバンドの音楽性は必ずしも一致していないんだろうと思う。

 すばらしいミュージシャンが集まっているワケだが、この音声力、方向性は見えにくい。和太鼓や三味線がロックと融合する、という希少性は確かに「ウリ」ではあるのだろうが、もっと客層を意識した選曲やステージ運びを期待したい。

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